交通事故には、人身事故と物損事故がありますが、この2つは、何が違うのでしょうか?
「物損事故」とは、車と車や物しか壊れていない事故のことです。たとえば車が破損したり、商店や塀、民家やガードレールなどが壊れたりしただけのケースでは物損事故になります。その他、自転車等。
これに対し、「人身事故」とは、交通事故で被害者が怪我をしたり死亡したりした事故のことです。車が無事でなにもなくても、人が傷ついたら人身事故です。
人の生命や生命危機になる、身体にけが(打撲、骨折、捻挫脱臼、四肢損傷、切り傷)をしてしまったら人身事故、それ以外の事故は物損事故と考えると正しく理解できます。
物損事故の場合、加害者は免許の点数が加算されません(道路交通法違反がある場合を除く)。これに対し、人身事故の場合には必ず免許の点数が加算されます。
次に、物損事故にすると、加害者は刑事罰を受けません。人身事故の場合には、自動車運転危険致死傷罪や危険運転致死傷罪が適用される可能性があります。
さらに、物損事故の場合、加害者が支払う賠償金の金額大きく異なります。物損事故の場合、慰謝料は発生しませんし、後遺障害が残ることも死亡することもないので逸失利益も発生せず、払わないといけないのは車の修理代や物の弁償代、台車のレンタル代等、支払ったら終わり、ということが多いです。ですから交通事故後の示談交渉などもすぐに終わります。ですから、加害者は事故を物損扱いにすることを望むケースが多いです。